
白み始めた空に、すうっと一台のイエローキャブ。
BGMは”ムーン・リバー”
静かに止まり、中から黒いドレスの女性が現れる。
まだ歩く人の少ない時間、大きな道に面したティファニーのショーウィンドウを覗き込む。
スリムなイブニングドレスにビジューたっぷりの大ぶりな連パールネックレスが、首すじから背中に沿うように馴染んでいる。
そして紙袋からパンを取り出してパクッ!
こんにちは!Deveです。
冒頭、おそらくこの映画で一番有名なシーンです。
今まで何となく、何度となく観てきた映画ですが、文章にしようとして観てみると、とてもドラマチックな表現ができるストーリーなんだな〜と実感します。
今では考えられないんですが、当初ヒロインのホリー役はあのマリリン・モンローにオファーがあったそうです。
ただ当の本人から断られ、オードリーに決まったそうです。もしそのままマリリンだったら、この役柄としてはすんなり馴染んでしまったことでしょう。
オードリーだったから新鮮、斬新、意外。
オードリーだったから、ここまでのヒットになったんじゃないかな?高級娼婦という役をなんの嫌味もなく、可憐なままで見事演じてしまったのだから。
ホリーは頭が弱いのか、そう見せているのか、ただあまりいろんなことを気にしていないだけか、つかめないところのある女性です。
毎日精一杯オシャレして、出掛けて、疲れて。気張って生きているホリー。ブラックドレスに身をかため、いつも楽しそうに振る舞っているけれど、心の中は不安や問題をいっぱい抱えて壊れそうなほど。
彼女のそういったところがポールにはぐっときちゃったんですね。何度も何度もホリーの心に食い込もうとします。びしょ濡れになりながら、雨の中でやっと本気で向き合えた二人。雨の中での、ネコちゃんを挟んだスリーショットのラストはとっても素敵!
この映画の見どころの一つは、やっぱりホリーの服!ほとんどがブラック。とても上品です。
大ぶりのアクセサリーや帽子といった小物使いがシンプルシックな服にとても映えます。睡眠時の耳栓までエレガント(笑)
髪型はだいたい夜会巻きに。顔がはっきり出るため、オードリーの大きな目を縁取るくるるん睫毛が強調されてとってもチャーミング♡
全体的に余計なもののない洗練されたシルエットです。だからくわえタバコの異様な棒の長さ(笑)もサマになるんだと思います。
この映画の題名にもなっているティファニーの、当時のお店の雰囲気をみられるのもいいですね。
ショーケースの中もやっぱり一流宝石店そのもの。私はこの状況で店員にお菓子のおまけのリングに刻印を、とは死んでも言えませんが(笑)
果たして今のティファニーの店員さんは何て応えるのかな?気になるところです(笑)
ラブロマンスの名作なので、また観ると思います。
大振りなコスチュームジュエリーと呼ばれるものは現代でも十分にお洒落です。私もいつか制作しようと思ってデザインをためています。
次回観るときにまた新たな発見があることを期待しつつ。気持ちが温かくなる映画ですので、やさぐれた時にでも(笑)オードリーの眼差しに癒されてください。